2006年01月30日

咳をしても一人

金曜日、僕は突然体調を崩した。

日も沈みきらんとする午後5時、バイトに行くために嫌々目覚めて、驚いた。
体中が痛い。満遍なく痛い。そして体に力が入らない。
寝ぼけていたのと時間に追われていたこともあって、僕は「どうせ剣の振り過ぎだろう、真の勇者になるためには必要な産みの苦しみさ」 などと楽観視しながら家を出た。

しかし新小岩に向かう総武線の中、どんどん気分が悪くなってくる。普段なら凝視するはずの女子高生の生足にも、全く興味が湧かない。 なにかがおかしい。

生徒の家に到着し、いつものように将棋を指し始める。
朦朧としてきて、かなりありえない目の悪手を連発してしまう。それでも勝ってしまう、これが戦いの年季の違いだろうか。

もう一局、もう一局とせがむ生徒を一喝して、放心する僕。生徒は一人、将棋の駒でドミノ倒しを始める。面白いのか、そんなことして…?
どうでもよくなってきた僕は、SとEとXという形にドミノを並べろ、完成したら起こすように、と彼に指示し、机に突っ伏した。 その傍らで彼は、Xの並べ方に苦心していた。

ここらへんでいいかげん、気付いた。
僕、病気なんじゃないの?
明らかに剣神で使わないような所が痛いし、頭がポカポカする。そうだ、熱を測ってみよう。
僕の家には体温計などという洒落たものは存在しないので、生徒に借りた。彼の家の体温計の置き場所までを把握している自分が怖い。

ピピピ、ピピピ、ピピピ…。
金曜洋画劇場のマイノリティー・リポートを楽しそうに見てる生徒を横目に、僕は7度5分の熱を出していることを知った。
普段は熱など出さないので、この温度が微熱なのか高熱なのか、はたまた平熱なのか、さっぱり分からない。でもすっごくダルい。 普段ヒロポンと叫び合うような「ダルい」とは真剣さが全く違うダルさだ。僕はそそくさと帰宅した。

フラフラしながら新小岩駅へ向かう。新小岩という街の性格上、よろよろと歩く僕の姿は、 重度のシャブ中の青年のように映っていただろう。

こうして、やっとこさ家に着いた。こんなにひどい体調なのに、 帰宅すると電気を点けるよりも先にPCの電源を入れてしまう自分に気付いて、ウンザリした。
とりあえずなんか喰って栄養を補給しよう、と思い立ち、台所へ。
本当は、野菜をたっぷり入れたスープに卵を落としたりするのがいいのだろうが、万事が面倒くさくなっていた僕は、 そこらへんに置いてあったカップ焼きそば・UFOを食べた。

うん、クソまずい。
UFOだけあって、宇宙クラスの不味さ。
普段の僕にとってはかなりのご馳走であるUFOを、こんなに不快に感じるなんて。今の僕は相当病んでいるようだ。 おとなしく野菜スープ作っときゃ良かった。

もう一生カップラーメンは食べない、と守れるわけがない決意を胸に、家に置いてあった抗生物質を適当に飲んでから、布団に潜りこんだ。

でも寝れない。寝てるだけでも体が痛くて、寝れない。僕は、ふと、弱気になった。

何故このタイミングで体調を崩したんだろう?
前日ユリアン教授に飲みに連れてってもらった際、緊張しすぎていたからか?
それとも、あの居酒屋の食い物がおかしかったのか?あの店、底に紙がくっついた鍋を火にかけようとしたり、 出来上がったモツ鍋の中からビニールが出てきたりと、色々おかしかったからな…。
もしくは、深夜に帰宅後、朝まで剣を振ったり、PCをいじってたりしたからいけないのか?
いや、前日食べた、賞味期限を豪快に超越したラーメンがまずかったのか?

思い当たるフシが、ボロボロ出てくる。自分の自堕落な生活態度が恨めしい。

そもそもこれは、本当にただの風邪なのかな?
実はインフルエンザだったり?
はたまた鳥フルエンザ?
いや、意外なところで狂牛病?

どんな病気だったとしても、不思議は無い。乱れきった生活を続けてきた僕は怯えた。
ひょっとすると病気そのものよりも、病気に伴って起きるこういった悪い妄想の方が怖いのかもしれない。

一人で暮らし始めてから今に至るまで、一度だけ、病気でかなり辛い思いをしたことがあった。2、3年前のことだ。
でもその時は、親切な友人が家までわざわざ来てくれて、おでこに冷えピタシートを貼ったり、他にも色々してくれた。 あのときは本当に嬉しかった。

そんなことを思い出したら無性に寂しくなったので、「う〜ん、う〜ん、アイはとっても辛いナリよ〜」などと過剰に独り言を叫びながら、 無理やり眠りについた。

 

寝苦しくて目が覚めると、午前3時。布団に入ってから4時間しかたっていない。
よくよく考えてみると、いくら体が不調だといっても、睡眠自体は前日に十分すぎるほどにとっていたのだ。体が寝ることを拒否している。

体も幾分楽になっていたので、僕はおもむろに翌日、てかすでに当日に迫った勉強会に向けての予習を始めた。
明らかに勉強会を休むべき体調なのだが、夏から今まで、ずっと皆勤しているし、欠席はしたくない。
そもそも僕はマゾというかなんというか、過酷な条件の下で何かを達成することが案外好きなのだ。なんかカッコいいじゃないか。 僕とゾーマの死闘の歴史にも、その性癖は如実に表れている。

こうして僕は、大漢和辞典というクソ重い漢字字典をひきながら漢文を読んだ。この字典を持つだけで上半身が痛いのだが、頑張った。 僕にもできたよ、予習…。

この劣悪な体調で予習を終えた僕は非常に気分が良かったので、すぐさま剣を握ってゾーマ&りゅうおうの討伐へと向かった。
力が入らないせいか、ゾーマの猛攻を凌いでる最中、何回も剣がすっぽ抜けそうになった。
が、一回目の対戦で、いきなりゾーマを剣のみで撃破。普段はゾーマと10試合ぐらいして初めて撃破できるので、これはかなりの快挙だ。
全身痛で無駄な力が抜けた分、スピーディーにギガソード(縦・若葉マーク・ナナメにすばやく斬ることで雷が発生し、 敵に追加ダメージを与えるテクニック)を連発できたのが勝因だったのかもしれない。
りゅうおうに至っては、既に僕のスパーリングパートナーにすらならない。終始安定した試合運びで、僕はりゅうおうに完勝した。

一日のノルマ分の魔王討伐を終えて、僕は意気揚々と勉強会に向かい、その後、「アルコールで悪い菌を消毒しなきゃ!」 と飲みに行ってしまった。少しフラッとした時はあったが、なんとかなるものだ。病は、剣を振って治す。これが勇者の治療法だ。

 

結局、僕はなんの病気だったのか、未だにさっぱりわからないが、無事に元通りに回復した。

真面目な話、そんなに重大な症状でない時は、家で布団に包まって漠然とした不安に襲われ続けるよりは、外に出て勉強したり、 楽しく酒飲んだり、剣を振ったりした方がよっぽど健康に良いと思った。
自分の体調を不安がるようなヒマを脳に与えちゃダメだ。身体の不調と連動して、精神も不調になるから。病気になるといつも思うが、 あの不安スパイラルには本当に参ってしまう。
でもそんな時でも一緒に楽しく過ごせる友人がいるから、僕はとっても幸運な人だ。体はともかく、心は健康でいられる。

病み上がりなので、少しセンチメンタルになってみました。
なんにせよ、生きてる限りは体が資本なので、みんな、健康には十分気をつけよう。やばい、と思ったときにはもう遅いんだよ!?

てか、同じようなことを今月頭の日記に書いてた自分に気付いて、その学習能力の低さにビックリ。今度こそ本気で、 もりもり食べ野菜♪するぞ。

この記事へのコメント
昨日はセンチメンタルさに気づかなかった!
ごめんにょろん。
Posted by ちー at 2006年01月30日 20:06
>>ちー
病気が治ってしまえば、ころっとセンチメンタルを忘れてしまう。
人間ってそんな生き物さ。
どうしようもないりゅん!
Posted by EBA at 2006年01月31日 07:30
久しぶり!!俺このブログを読んでていつかEBAが体調崩すんじゃないかって思ってたよ。ありえない生活だもんね。病気になってからじゃ遅いから気をつけなよー。もう若くないしさ。
Posted by ryo at 2006年02月01日 14:17
とりあえず、元気になってよかったね。
HPの補充を忘れないように。>勇者さま
Posted by M2 at 2006年02月02日 01:44
>>ryo
親身の指導をありがとう!
うーん、そんなにありえない生活してたのかな、俺…。
比較対象が無いから、自分の異常さにイマイチ気付けないよ。
でも確かに、もう若くない、って最近思う。
家でゴロゴロすることに幸せを感じてきてしまった。


>>M2さん
確かに最近は、剣を振って攻撃することばかりに気をとられて、回復をおろそかにしてました。
どうやら僕は、勇気と蛮勇をはき違えてたみたいです。
時にはゆっくりと身を休める勇気も必要ですね。
M2さんも気をつけて!
Posted by EBA at 2006年02月03日 01:06
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/12488965
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。